「グローバル・スタンダード」と言うまやかし

伊敷豊

2011年12月19日 09:30



梅岩と高利は、
ドラッカーに関する書籍が売れ、
果てはドラッカーをテーマにしたテレビ番組が話題になっていることを
どのように見るのでしょう。

日本には、江戸時代に開花した日本流経営、日本流マネジメント、
日本流マーケティングがあるのに、

子孫である現代の日本人が、
「グローバル・スタンダード」というまやかしの言葉のもとに、
欧米流マネジメント、マーケティングに盲目的になっていることへ危惧を感じているのではないでしょうか。

『強欲資本主義ウォール街の自爆』(文春新書)の著者・神谷秀樹氏は、グローバル・スタンダードの幻想とその背景に潜む罠を警告しています。

「何故、世界は『グローバル・スタンダード』に統一しなければいけないのだろうか。
グローバル・スタンダードを推進している中心人物は、間違いなく米国の巨大投資銀行のトップたちであろう。きわめて単純化すれば、証券の世界における販売システムが、世界で十社にも満たない巨大投資銀行(預金金融機関の投資銀行部門も含む)に握られているといっていい。

彼らは、自分たちが扱いやすいように、あらゆる証券を『定型化された商品』にしようとしている。つまり、自分たちが売買しやすいように取引条件を規格化するのだ。
〈中略〉彼らのようなボリュームを追う人たちが、もっとも忌み嫌うのは『個性』だ。証券、商品それぞれの個性をなくすほど、束ねることが楽になるからだ。大規模に相場を束ねて新たな証券(仕組み証券、仕組み商品)を作れば、それでまた商売の幅を広げることができる。」

 グローバル・スタンダードは、
世界のありとあらゆるモノの個性をなくし、規格商品にすることで、
彼ら(米国の巨大投資銀行トップたち)の販売システムに乗せ、
彼らが儲けるための手段に過ぎない。

あらゆるモノを商品化するので、リスクの高いモノも紛れ込む。

死亡率の高い強烈なウィルスに感染した商品を世界規模で売買することにより、
ウィルスを世界中にばら撒くようなものです。

ウィルスに感染し病気を発症するのは、私たち世界中の納税者で、
米国の巨大投資銀行はウィルスが侵入しない無菌室で、安全な場所に身を置き、ゲーム気分で高みの見物をしているのです。

サブプライム危機は、グローバル・スタンダードの罠に世界中が引っかかり、
ウィルスに感染したのです。

この様に書くと、反米思想家と烙印を押されそうですが
私は、iphon、ipadのユーザーであり、ジョブスなどの米国の創造的な経営者も好きです。

ただ、日本人は欧米のもの、考え方が優れていると先入観があり過ぎです。
卑屈になる、日本人の良さが観てきません。




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