スティーブ・ジョブズは日本流モノづくりの継承者

伊敷豊

2011年12月28日 10:00



iphon5がリリースされる噂が流れ、iphon5出てからiphoneユーザーになろうと待っていた時に、
スティーブ・ジョブズが他界してしまいました。

モノには、モノを作った人の魂が宿ります。

iPhone4S、そしてiPadを実際にユーザーとなり使って感じるのは、ウォークマンを手にした時の感動と似ています。

ウォークマンは、1979年にソニーが新しい音楽の楽しみ方を世界に提案した個人ツールでした。

ウォークマンは、再生専用でスピーカーがないという前例のないツールでした。

そのような時代に録音機能のない、聞くだっけ、再生するだけの機能のを切り取った、
削ぎ落としウォークマンは、実に革命的でした。

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当時私は、高校生でしたが、姉のウォークマンを借りてバイクに乗りながら聞いたことを覚えています。
その時代は、ミニコオンポが流行りはじめていましたがまだまだ、
大きなヘッドホンをして音楽は室内で聞くのがかっこよかった。

当時は、本格的コンポが主流で、持ち運びできるポータブルタイプのコンポが出ていましたが、
音質の良いコンポは大きく持ち運びは大変でした。

もちろんウォークマンは大ヒットしました。

iPhone、iPadを使って感じるのは、「日本」です。

そぎ落とし、小さくし、シンプルにする日本流のものづくりスタイルです。

ウォークマンだけでなく、ソニーの世界初トランジスタラジオがそうです。
iPhone、iPadの斬新さ、昔のソニーを彷彿とします。

スティーブ・ジョブズもソニー経営陣とも交流しモノづくりの姿勢をリスペクトし、参考にしたといわれています。

スティーブ・ジョブズのエピソードで、画期的な製品を作るために、時々社員を罵倒し、独善的な振る舞いが紹介されます。

米国のクリエイティブなカリスマ経営者ならではのエピソードだと思われがちですが、
実は、日本のメーカーの創業期に似ています。

スティーブ・ジョブズはまだやさしい方で、ホンダの創業者・本田宗一郎も短気で、
鉄拳は当たり前で時にはモノが飛んできたといいます。

強烈なリーダーシップ、時には独善的と言われながらも、
世の中にないモノを作り上げていくのは日本のメーカーにはあったのです。
ジョブズの専売特許ではありません。

世界を席巻したウォークマンは、社内の大反対の中で開発され発売されました。

大曽根幸三(元ソニー副社長)の証言によると、「大学の夏休み前に発売」と盛田昭夫会長(当時)が決定しウォークマンはわずか4カ月で開発。「録音できないただの再生機なんて売れっこない」社内の猛反対に、盛田が「俺が会長の首を賭ける。売れなかったら辞めてもいい」とタンカをきったそうです。

初号機は4万8000円で売らないと適正な利益をとれなかったのですが、盛田が3万3000円と値付け。もちろん赤字でしたが、値ごろ感が受けて、どんどん売れるようになったそうです。

CDウォークマンの開発でも、盛田が設計担当者に「この大きさでやれ」と木型を渡しました。担当者がもう3ミリメートル厚みがないとできない抵抗しましたが、「できるかどうかなんて聞いていない。できるまで知恵を絞れ」と盛田が叱咤したいいます。

妥協を許さない盛田の話、ジョブズの逸話に似ていませんか?

井深大、盛田昭夫が良い意味で独善的に推し進めたのがウォークマンです。
ジョブズは、ある意味、井深、盛田のソニーを踏襲、模倣したのかもしれません。

ジョブズ、盛田は、「これまでにない新しい製品をつくり、その製品が世界の人々をビックリさせ、わくわくさせ、そしてその製品が愛される」という一心から愚直にモノづくりをしていったのではないでしょうか。

ジョブズは「モノはウソをつなかい」という信念があったのかもしれません。
したがって、ものづくりにウソや妥協はできなかったのではないでしょうか。

愚直なモノ作りは、ジョブズ自身、自問自答の連続で身を削る作業だったのでしょう。

iphone、ipadを使いながら、ジョブズの信念、愚直さ、魂を感じます。
そして日本を感じます。

「モノはウソをつかない」。


ジョブズは、欧米流ではなく、日本流モノづくりの継承者ではないでしょうか。

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