営業しない営業2 ^m^

伊敷豊

2005年07月30日 10:03



営業しない営業2……昨日の続きです。


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A社に感心すると同時に、
これは、非常に高度なマーケティング戦略であるということが理解できた。

離島にどんどん営業して住宅を販売すれば
売上もあがる。
普通の会社は考える。

普通の住宅建設販売会社の売り文句は恐らく

「他社よりやすいですよ」

「儲かりますよ」

という陳腐な営業トークだろう。

売ればこっちのもんだって考えています。

アフターフォローなんぞ、本気で考えていないことお客は分かっている。
だから安いほうを選ぶ。

でも、それでアフターフォローがおざなりになれば
A社はお客さんから、二度と信用されないことを知っているのです。

恐らく頭の悪い社長や管理職は
「アフターフォローで
お客のところに足を運んで油を売るより
どんどん飛び込んで、新規客を取って来い」
というだろう。

まぁ頭が悪いので仕方がないのですが…
そういう会社に務めている人って「オー人事」ですよね。

高額商品ほど
アフターフォローが大きく売上に影響するのです。

アフターフォローで、
時間を使い、お客さんのもとに足を運び
「いかがですか? なにか困っていませんか?」
と御用聞きすることは
一見、損しているように感じるかもしれない。


実は、長期スパンのマーケティング戦略があるのです。

数十年単位でビジネスを考えているのです。


住宅購入者やアパート経営者(オーナー)は、
家電や車の購入とちがい、
子供、孫まで引き継ぐ資産という認識があります。

住宅やアパートを建設して終わりではない。
A社はそこをシッカリ認識している。

始まりなのです。
そこが、普通の住宅建設販売会社の認識と違う。

もちろんコスト重視のオーナーもいるだろうが、
少々高くても一生お付き合いできる企業を選ぶのが自然。

A社と一人のオーナーのお付き合いは、30~40年だろう。


30~40年。

そこがミソです。


長いお付き合いの中でA社とお客さんの信頼関係は強固になる。

数名は紹介もあるだろうし、リニューアルも受注する。
ねずみ算式に膨らんでいく。

信用が得られれば、
一人のオーナーから「数億の仕事」を受注できるのです。

A社が、アフターケアができないから離島には進出しないのは、
お客さんとの約束を果たすためですが、それが売上を減らすことになる。

まだわかりません?

目先に売上より、将来につながる信用を得るほうが売上につながるのです。
A社は、それをよく理解している。
一度崩れた信用を取戻すには大変なコストがかかる。

大手企業だから、できることと思っていないだろうか?
ぜんぜん違う。

小さい企業だから、もっとフットワークがいい
お客が喜ぶ細やかで顔の見えるサービスが提供できるはずだ。

ただ、それをやらないだけである。

もう一度いいますが
やらないだけです。

あなたは、先を見ないで、
頭の悪い社長や管理職のように
「アフターフォローで
お客のところに足を運んで油を売るより
どんどん飛び込んで、新規客を取って来い」
って言っていませんか?

そう言っていたら
社長、管理職を今すぐ辞めることです。
百害だけです。
お客さんにとっても社員にとっても「害」そのものですので。


「業界はこういう仕事」という固定概念が出来ていて、
それ以上のことをしないだけではないだろうか

既成概念を取り払い、
マーケティング思考を導入し、
お客さんのことを第一に考えることで
ビジネスチャンスが生まれてくる。

ビジネスチャンス、ヒントは案外足元に落ちているのです。


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