2012年04月15日
英語話せてもバカはバカ
成毛眞(なるけまこと)氏は、歴としたマイクロソフト日本法人の元社長。
外資系日本法人社長である成毛氏は、著書「日本人の9割に英語はいらない」(祥伝社)で、社内公用語を次のように切り捨てています。
~チョメド企業の愚かな選択~
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~チョメド企業の愚かな選択~
「結局、楽天やファーストリテイリングは超ドメスティック(家庭的)企業、略してチョドメ企業なのである。今まで国内でぬくぬく活動していた企業が、グローバル化だ、国際化だといった煽りを鵜呑みにし、慌てて外に出て行こうと体裁を整えている。そのようにしか私には映らない。海外で事業を展開するのには賛成だが、国内まで海外仕様にする必要はないのである。
〈中略〉
20代・30代は仕事で覚えなければならないことが山ほどあるのに、英語の勉強に時間を取られたら、肝心の仕事に集中できない。」
「そもそも「英語ができる人は優秀だ」と思い込みは、いつから生まれたのだろうか。
少し英語を話せると、「すごい、○○さんって、英語ができるんですね」と尊敬のまなざしで見られる。この思い込みは、英語圏に住んでいる人はすべて優秀だと信じているのと同じくらい愚かな発想である。」
その他にも、「日本人の9割に英語はいらない」には刺激的な見出しが並びます。
~頭の悪い人ほど英語を勉強する~
~創造力にない人ほど英語を勉強する~
~本当に英語が必要なのは1割の人~
~日本人は英語に対してお人よしすぎる~
~早期英語教育は無意味である~
~楽天とユニクロに惑わされるな~
~英語ができても、バカはやっぱりバカである~
成毛氏の著書「日本人の9割に英語はいらない」で、思わず笑ってしまったのが、楽天のニックネームと社内食堂のメニュー。噴飯ものです。
「楽天が社内でどのような取り組みをしているのか報道を目にするたびに、「救いようがないな」と呆れるばかりである。
楽天は社員証もローマ字で表記しており、ローマ字だと名前が覚えづらいので、ニックネームで呼び合っているのだという。」
「楽天の社員食堂のメニューもすべて英語となり、食堂の職員は英訳に頭を悩ませているという。ブリの塩焼きは、Salt-broiled yellowtail、コーンビーフと里芋のこってり煮が Simmered corned beef and taro。うどんは Udonのままらしい。」
もう喜劇、コメディーです。
楽天に倣って、ニックネーム呼び合う会社がマスメディアで取り上げられいましたが、社員にとって、迷惑な話で、不幸です。
親からもらった名前を軽視してニックネームで呼び合うのは、「親不孝」な会社であると公言しているようなものです。
社内公用語を推進する三木谷氏は、官僚出身なので、そのようなアホな、いや失礼、無邪気な発想ができるのではないでしょうか。
「社内公用語を英語にする」と言う、幼稚な発想をする企業も現れたものだと可笑しくなりましたが、メディアはグローバル化キャンペーンに使っています。
マスメディアも冷やかに嘲笑するどころか、英語はグローバル化に必要と、楽天、ファーストリテイリングに続けと持ち上げる始末。
それどころか、日本企業の社員に含む外国人比率が低く、グローバル化するには、外国人比率を高める必要があると短絡的に論じるメディアが目立ちます。
困ったものです。
TPPを推進するマスメディアだから「社内公用語を英語にする」は当然だと考えているのかもしれません。
メディアも、時代の救世主的にファーストリテイリングを無批判に取り上げているので、検証する能力もないのでしょう。
英会話教室、教材を販売する会社の策略かと思ったりもしましたが、結局、グローバル化に煽られた、舞い上がった、あまり頭がよろしくない社長の思いつきの産物に過ぎません。
というか、楽天やファーストリテイリングは、英語が話せれば評価される会社で、相当ヒマな企業であることが、みずから露呈しまったとも言えます。
ビジネスにおいて最優先すべきは多くあります。
英語を話すことことで、貴重な時間を英語習得に費やすることに意味があるのでしょうか。
普通に考えれば、この社長は頭が可笑しくなっていると思うのは普通ではないでしょうか。
英語がいくら上手くなっても、自分の考え方を主張できなければ、英語を話せないと同じということに気が付かないのは致命的です。
「英語ができても、バカはやっぱりバカである」と成毛氏は指摘します。
自分の力で考える力が低い人は、いくら英語が上達しても、自分の力で考える能力が低いので、企業にとって英語力を指標することが如何に馬鹿げていることはわかるとおもいます。
オカシイ会社(元々オカシイ会社だったが露呈しただけ)となった楽天、ファーストリテイリングに、学生も愛想をつかし、2012年卒学生対象・就職希望企業人気ランキングで、楽天は227位(前回57位)、ファーストリテイリング262位(前回63位)とランクを大幅に下げています。
無邪気な社長の思いつきに、自分の人生をかける必要はありません。
就職希望企業人気ランキングを見て「英語ができても、バカはやっぱりバカである」と学生も感じているのだと安堵しました。
その様な本を書いたり、発言すると、日本(本土)では、すぐ反米派とてレッテルを貼られてしまいます。
成毛氏は、プチナショナリズム的、鬼畜米英的な発想で英語憎しで、主張しているのではありません。成毛氏は歴とした知米派だとおもいます。
「日本人の9割に英語はいらない」を最後まで読むとわかりますが、英語が必要な1割のエリート、リーダーは必死に英語を習得するべきと論じています。
成毛氏が「日本人の9割に英語はいらない」で、言いたかったのは、「自分の頭で考える力を養え」ということです。
だから本を読めと。
私も、才能のある若い人には、「本を読みなさい」と言っています。
才能があるのに、能力が伸びない若い人をよく見かけます。
才能が伸びない理由の一つは、本を読んでいないからと言ってもいいでしょう。
自分の時間を割いて、本を読むこと。
本は単に読んでも意味はありません。
有益にするには、その本を書いた著者の探究を疑似体験し、自分なりに咀嚼し、本質を探究することです。
日々探究することで、自分なりの哲学が確立していき、感性が磨かれていきます。
その積み上げの結果が、5年後、10年後に表れてきます。
本を読んでいない人は、すぐわかります。
考えが浅く、感性がなく、軽薄です。
自分を高めるための方策として
私も本が好きで、年間150冊くらい購入しています。
本は、仮説が書かれています。
その仮説をどう読み解くのかが、楽しく、ついつい多読、積読をしてしまいます。
英語話せてもバカはバカは、「バカにならない為に本を読め」と解釈してもいいでしょう。
成毛眞氏は、外資系元社長ですが、間違いなく日本流経営者です。
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Posted by 伊敷豊 at 12:48│Comments(0)
│オンリーワンマーケティング
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