2010年11月11日

米上院議員から蔑視された日本公使

米上院議員から蔑視された日本公使

尖閣諸島での中国漁船衝突事件が連日報道されていますが、
報道にうんざりです。

「中国になめられている」と息まく野党にとどまらず、与党内から政府は批判されています。

確かに政府の稚拙なやり方は問題がありますが、
中国をとっちめて一時的に、溜飲が下がったとしても何が得られるのか?

米軍のヘリコプターが沖縄国際大学構内に墜落した当時自民党政権であったが、
町村信孝防衛庁長官は現場を訪れ「奇跡的」と米軍側を褒めたたえるコメントをした。

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小泉首相(当時)も本土メディアも反応は極めて鈍く
対中国の様な批判はまき起らなかった。


対中国となると、俄然プチナショナリズムがもたげてくるのに、
対米国となると、隷属関係に吼える政治家はいないのは、情けない限りです。

まぁ、そんな気骨のある政治家(亀井静香氏くらいか)など残念ながら日本にはいないから仕方ないのですが。


対中国に対する蔑視する態度とは真逆に、米国対する隷属的な態度をメディアも問題視しない。

日本のメディアは北朝鮮のことを面白おかしく取上げていますが、
実質的に米国の植民地化されている日本の現状を取上げられたら北朝鮮を笑えない。

北朝鮮もの独裁政治もひどいが、日本の米国植民地政治は同様にひどい。

沖縄の米軍基地問題から目をそらす事は、外交を放棄してしまうことに等しい。

カーター政権のZ・ブレジンスキー元国家安全保障担当補佐官は
「日本は行動の自由を制限され、世界の大国になりうる力をもちながら、アメリカの保護国でもあるという矛盾した状況が生まれている。つまり、日米安保条約は事実上、日本をアメリカの保護国とすることを規定している」(世界はこう動く・日本経済新聞社)と述べています。

保護国というのは、非常に遠慮した発言でしょう。

要するに米国では日本が独立国家だとは思っていない。

米国の植民地であるという認識なのです。
ただ、都合がいいので表向き独立国家として扱っているだけ。

沖縄人は、沖縄を含む日本が植民地であることに気がついています。

大和人はそのことに気がつくべきだ。
大和人は、国際社会で置かれている実態を真摯に受け止める必要があります。

日本が米国から実質的に独立することで沖縄の米軍基地縮小できるのではないでしょうか。
沖縄の米軍基地縮小が果たせるか、果たせないかは、日本の独立度の指数になります。


伊波洋一・前宜野湾市長は、05年に米国上院議員ファインスタイン氏と面談し、普天間飛行場をた時、
「この飛行場は、ここにあるべきではない。市長の取り組みを応援しています。ラムズフェルド国防長官に手紙を書きます」と発言したそうです。

更に、ファインスタイン氏は伊波氏と同席する日本大使館公使に
「クレィジー(ばかげている)。まだ、そんなことをやっているのですか」と非難したそうです。

※詳細は、伊波洋一著「普天間基地はあなたの隣にある。だから一緒になくしたい。」(かもがわ出版)に書かれています。




米国には正面きってものが言えないのに、中国には高圧的な態度を取る大和人のメンタリティーは
外国人からは奇異に映るのでしょう。

米上院議員から日本大使館公使を含めて、
大和人は蔑視されることを肝に銘じるべきではないでしょうか。




米軍基地は経済問題に直結しています。

沖縄経済に対する基地のインパクトは、以前ほどないといってもいいでしょう。

米軍基地は、県土面積の約10.7%、沖縄本島では、面積の約19.3%もありながら
県民総支出に占めるいわゆる基地関連収入は約5%まで落ちています。

稲嶺名護市長以前、基地受け入れと引き換えに、
北部振興策が実施されましたが効果が薄く形ばかりに過ぎません。

効果のある沖縄振興を図るには、基地返還が必要条件です。

返還されて北谷町桑江・北前地区、那覇新都心地区は大きな発展を遂げています。


返還された北谷町桑江・北前は返還前と比較して215倍(生産誘発額/商品サービス売上額)となっており、
那覇新都心では返還前比約16倍となっています。


駐留軍用地跡地利用に伴う経済波及効果等検討調査報告書 ・平成19年3月概要版 (平成18年度 大規模駐留軍用地跡地等利用推進費・沖縄県知事公室基地対策課委託調査) によると米軍牧港住宅跡地は、那覇新都心として再開発され、生産誘発額は874.2億円(整備+活動)に達しています。

返還前の基地関連所得(地代収入、軍雇用者所得、基地関連消費支出など)は年間51.5億円、生産誘発額54.8億円だった。返還前と返還後の生産誘発額で比較すると約16倍となっています。

因みに平成25年の生産誘発額は2,082億円となり、約38倍にもなるのです。

宜野湾市に隣接する北谷町のメイモスカラー射撃訓練場、ハンビー飛行場跡地の桑江+北前地区返還前の生産誘発額は2.9億円でしたが、返還後の生産誘発額は623.7億円で約215倍です。

平成25年頃には1,000億円を超えると予測され、返還前と比較すると345倍になります。


普天間基地跡地再開発で生産誘発額8,083億6千万円、誘発雇用6万4,130人

中南部圏の現駐留軍用地23施設、7,229ha(平成17年3月末時点)から発生する直接経済効果を概算推計すると、約1,900億円/年程度になります。

直接経済効果の中で、割合の高いのは「米軍等への財・サービスの提供」35%で次いで「地代収入」32%、「軍雇用者所得」24%。直接経済効果約1,900億円のうち沖縄県内に発生した最終需要額を算出すると、約1,233億円/年。生産誘発額2,647億円/年、雇用者所得額769億円/年となります。

税収額を推計すると、市税・県税・国税の合計で298億円/年になります。

普天間飛行場、キャンプ桑江、キャンプ瑞慶覧、牧港補給基地、那覇港湾施設が返還され、地区整備再開発された場合、跡地整備に伴う直接経済効果(整備経済効果)は合計で約1兆円、生産誘発額は約1.7兆円規模となるのです。

跡地整備開発により見込まれる税収は計1,300億円、誘発雇用は13万4,793人となります。

更に、整備され商業施設などが立地し、商業活動が稼働すると直接経済効果(年間販売額)は、約8,700億円/年、生産誘発額9,100億円/年、税収約1,250億円/年となる見込みです。

誘発雇用人数は7万8,272人になります。

沖縄県の完全失業者が約5万4千人、失業率8%(労働人口約67万人)ですが、普天間飛行場、キャンプ桑江、キャンプ瑞慶覧、牧港補給基地、那覇港湾施設が返還され、地区整備再開発された場合、基地返還で長年の懸案事項である沖縄の失業率が一気に解決できるわけです。


北部では、どうするのか?

日本の農業は実は非常に強く、世界第5位の生産額を誇っています。
自給率は農水省で40%と喧伝されていますが、
その計算方法がカロリーベースで計算され、わざと低く過小評価し偽装しているのです。

単純に生産額で換算すると自給率は66%で、畜産に至っては自給率71%になります。

世界では農業は成長産業と言われており、
北部地域では農業の大規模農業を促進することで、加工食品メーカーと連携し、本土・海外へ移出を図るのです。

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この記事へのコメント
浅はかな考えですみません。
今大多数の人が思ってる事に
基地が撤退したら、中国が侵略するのではないかという不安な声があります。
政治の法も変な法案が出されたりしてるので。
沖縄はどうなるでしょうか・・・
Posted by M-info たくや at 2010年11月14日 20:39
M-info たくやさん

コメントありがとうございます。

>基地が撤退したら、中国が侵略するのではないかという不安な声があります。

ありえない話です。
中国脅威論は、防衛省が予算を獲得する常套手段です。
インド洋給油で「給油しなければ米国との関係悪化する」と自民党政権下の国会や本土マスメディアで喧伝されていましたが今その様な状態になっているでしょうか?
省予算獲得の為、冷戦後は仮想敵国がなくなったので、無理やり中国脅威論を煽っています。

米国は日本より中国との関係が親密で、最近の外交は重要度は日本より中国です。台湾と中国も経済協力枠組み協定(ECFA)を締結するなど、経済の一体化は加速度的に進んでいます。
日本を尻目に、中国、米国、台湾は経済的・外交的に緊密化しています。

戦争、紛争で経済的損失は図り知れません。
沖縄から米軍基地が撤退し、中国が沖縄に侵略する経済的、外交的デメリットが大きいので、中国侵略はありえません。

官僚と本土マスメディアがつるんで国民を煽っている現状に怒りをかんじます。
Posted by 伊敷豊伊敷豊 at 2010年11月15日 12:29
なるほど!!
大変丁寧に答えていただきありがとうございました。
安心しました★

しかし官僚や本士マスメディアには腹が立ちますね。
人権擁護法案など表沙汰にせずに進めようとしていると聞きました。
実際ニュースを見ても聞いたことの無かったもので。
ただ私がニュースを見ていなかっただけかも(笑)

きちんと報道して欲しいものです。
Posted by M-info たくや at 2010年11月17日 15:02
M-info たくや さん

本土マスメディアが劣化している為、
日本は官僚の思いのままです。

民主党も野党も期待できませんが……。


正確な軍事情報は軍事評論家・田岡俊次氏をウォッチングしているといいですよ。
Posted by 伊敷豊伊敷豊 at 2010年11月17日 16:04
メディアに期待できない分、自分達で伝えていかないといけませんねd(-_☆)

田岡俊次氏ですか。チェックしてみます。
ありがとうございましたm(^o^)m
Posted by M-info たくや at 2010年11月17日 17:50
M-info たくや さん

大手メディアが官僚にコントロールされているので
独自の視点が必要です。

お互い賢くなりましょう!
Posted by 伊敷豊伊敷豊 at 2010年11月23日 18:35
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