2010年11月27日

覚悟のある生き方

覚悟のある生き方

04年、沖縄国際大学に米軍ヘリが墜落した事件当時、新聞に投書しました。
以下投書の一部です。

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「朝まで生テレビ」の田原総一郎氏は番組冒頭(04年9月)

「本土は沖縄に関心がなくなったのではない。沖縄を忘れてしまっている」と衝撃的な発言をしました。
大和人(やまとんちゅ)の沖縄米軍基地問題、沖縄に対する関心度を指摘した。

田原氏らしいストレートな表現であると思いましたが、
その時、田原氏は何か沖縄にメッセージを送ろうとしているのではないかと感じた。

さらに、同年九月五日のある番組で司会の田原総一郎氏が石原慎太郎東京都知事に
「在沖米軍を東京が引き受けるつもりはないのか」という問いに石原知事は苦笑いでごまかしていました。

あきらに意図的な質問で、田原氏の沖縄へのメッセージをこう解釈した。

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「大和人は沖縄で米兵が犯罪を起こそうが、事故を起こそうが関心がない。
世間体がわるいから同情するふりはするが。大和人にとって普天間米軍基地の辺野古移設などどうでもいいのだ。

政府は本気で沖縄の米軍基地を減らそうと思っていないし、植民地状態から開放させる気概も能力もない。

沖縄県民の皆さん、それでも大和人を信用するのですか。ついてくるのですか。

基地問題を解決するのは大和人ではできないことを現実として受入れる時がきているのではないですか。

それでも声をあげないで無関心の大和人の言いなりになるのですか。
それは人間として最低な生き方ではないですか。祖先や子孫に今の沖縄を誇れるのですか。

私は一人のジャーナリストとして、大和人の一人として、つらいが大和人の本音を沖縄に届ける。
後はあなたがた沖縄の人達が決断するだけです」と。

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非情で厳しいが、沖縄への思いを感じる田原さんなりのメッセージと受止めています。



「沖縄の真実、ヤマトの欺瞞」で伊波洋一・前宜野湾市長は当時の岡田外務大臣に次の様な感想を述べています。

「やはり日米安保に対するア・プリオリな信頼といいますか、安保条約がなければ日本が成り立たないかのような感覚を持っておられるようでした。普天間基地ひとつなくすのも安全保障の積み木を大きく崩すような感じがあって、抑止力が失くなるようにおっしゃる。ここはもう少ししっかり研究していただきたいと思います。」

※ア・プリオリ…演繹的な推理など経験的な根拠を必要としない性質


「沖縄の真実、ヤマトの欺瞞」で大田昌秀・元沖縄県知事は、大和人の欺瞞に憤慨しています。

「日本安保条約は日本国民の生命・財産を守るために国益を適う」とか、「アジア太平洋地域の平和と安定を維持するためには不可欠だ、と声高に主張してやみません。日本の国益にかなうなら、当然、日本国民全体でそこから派生する責任と負担とを分かち持つべきなのに、一部の例外を除き、本土のどの都道府県も市町村も、自らのところには一切、基地を受け入れようとはしません。そのようなありようは沖縄に対する明白な差別だとして、怒っているのです。



田原総一郎氏の沖縄へのメッセージの様に
欺瞞な大和人は「沖縄を忘れてしまっている」のです。

大和人の政府、官僚には「覚悟」はないのです。


米国へ堂々と議論、提言できるのは「覚悟」のある人です。


大田昌秀・元沖縄県知事は、本土へ遠慮なくモノが言えた記憶に残る知事です。

大田さんが、なぜ強力に記憶残っているのかと言うと、
「覚悟」があったのだとおもいます。

「覚悟」のない政府、官僚に対して「覚悟」のある大田氏は脅威だったのだとおもいます。

伊波洋一・前宜野湾市長も「覚悟」ある人です。

沖縄の人は現実を受け止め、政府に頼らず情報を独自に分析し、伊波氏、大田氏が主張するように、堂々と日本政府に対し、米国政府に対し、基地問題を解決すべくしつこく突き上げていくしないわけです。



生き方には2種類あります。

受け継がれる生き方と、受け継がれない生き方。
受け継がれる生き方は「覚悟のある生き方」です。

「覚悟」という言葉をあまり使わなくなりました。

なぜ死語になったのか? 

我々は自らの責任を回避します。

覚悟をしないで何が自分の利益になるのか
自分の身の安全を第一に考え賢い生き方を選択する。

即物的な風潮。表層的ですぐ結果を求めお金や地位で判断しがちです。

どんどん薄っぺらい軽い世の中になってしまいました。

覚悟のない自分の身の安全を考える即物的な生き方だと、
何かを成す時、決断もできないし、何も創出できない。

逆に「覚悟のある生き方」をしている人の言葉には魂が宿り、迫力があり、人を動かし、新しい創造がある。
そういう魂が後世へ受け継がれるのです。


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この記事へのコメント
明日は沖縄知事選ですが、県民には一人でも
多く選挙に行ってもらいたい。

県外就職し、住民票も利便性からこちらに移した
琉球人の一人として今回の選挙に参加できないことが
とても悔しく感じます。
(但し、私は「日本人」ではなく「琉球人」として
アイデンティティのほうが強いです。)

それにしても沖縄の知事選は屋良主席の時から基地基地基地。
基地の弊害は物質的な面だけではなく、どの時代の知事も
基地問題にエネルギーの大半を取られてしまうこともあると
思います。

次世代では沖縄の発展だけ争点した知事選にしていかなければ
と思います。
Posted by masa at 2010年11月27日 23:54
masaさん

コメントありがとうございます。
masaさんの言うとおり、多くの人が意思を表してほしいですね。
因みに私も先ほど投票に行ってきました。

米軍基地の県経済のインパクトは、昔は半分だったのが、今や5%以下しかありません。
嘉手納基地以南の米軍基地が基地が返還開発されれば、直接経済効果(年間販売額)は、約8,700億円/年、生産誘発額9,100億円/年、税収約1,250億円/年となる見込み。
誘発雇用人数はなんと7万8,272人になり、沖縄県の完全失業者が約5万4千人、失業率8%ですので、一気に失業問題が解決するだけなく、全国最低の県民所得も一気に上がるのです。

そうなれば、シンガポールの様に都市型経済にシフトできるのです。

次世代に禍根の残さない様に、基地問題を粘り強く、解決しなければなりません。
Posted by 伊敷豊伊敷豊 at 2010年11月28日 10:39
知事選ご苦労様です。

普天間基地自体あれだけ面積(約4.8km^2)がありながら
基地従業員は200名くらいしかいません。

また、辺野古に移したとしても現在働いている200名はそのまま
雇用が確保されるのでしょうか?

よく、新都心・北谷の跡地利用の批判で「大手スーパー」ばかりで
県内のパイを奪い合っているだけとの批判がありますが、
大手スーパーが1~2つできるだけで現在よりも雇用は多くなり
関連企業による経済効果も大幅に増えます。
また、普天間は港にも空港にも近く、土地も大きいため
新たな工業地帯としての可能性も十分あります。

知事がどちらになるにしても基地が沖縄の「利益」となるか
しっかりと見極めていただき日本政府に毅然とした態度を
とってほしいと思います。
Posted by masa at 2010年11月28日 22:36
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