2011年12月31日
さよなら!KY 琴線が読めたスティーブ・ジョブズ
iphoneを受け取る時、ソフトバンクの店舗で店員さんが
白い箱から仰々しくiphone取り出す光景が印象的でした。
大事なものを桐の箱から取り出すシーンとオーバーラップしたのです。
スティーブ・ジョブズこそ、日本のモノづくりの継承者と前にブログに書きました。
本来なら日本のモノづくりができる日本のメーカー、例えばウォークマンを作りだしたソニーが、
iphone、ipad、ipodを作るべきではなかったのか、というおもいがあります。
ソニーに対するブランド信仰が強いのは、我々40代以上のオジさん世代です。
しかし、ソニーブランド信仰が強い世代でも
家電を買う時にソニーを選択肢に含めることは少なくなったことに改めて気付きます。
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ウォークマンが盛り返していますが、
トリ二トロンで一世を風靡したテレビでも、シャープ、パナソニック、東芝が名前があがりますがソニーはその次です。
デジタルビデオもパナソニックに首位を奪われています。
なぜなのか?
実は、ソニーは日本らしいメーカーではなくなっていたのです。
「さよなら!僕らのソニー」(立石泰則著・文藝春秋)に
日本の象徴であったソニーが、魅力のない欧米企業になりさがっていく様を、苦悩をもって書き下ろしています。
同書は、立石氏の愛するソニーへの決別の書です。
ソニー凋落の要因を立石氏は下記のように指摘しています。
・出井体制で欧米化経営へシフト
・ストリンガー体制で欧米流株主重視経営の加速
・日本流モノづくりの否定とコンテンツ重視
・創業理念の否定
・欧米流成果主義の加速
・サムスンなどへの技術者の流出
メディアにも時々、出井が登場するが、非常に内容が抽象的で「大丈夫?」と思えるような発言が多かった。
「さよなら!僕らのソニー」(立石泰則著・文藝春秋)を読むと出井はソニーの経営者の器ではなかったと腑に落ちました。
出井伸之は、1995年ソニー代表取締役社長、1999年CEO、2000年代表取締役会長兼CEO、2005年会長兼CEO退任、最高顧問、アドバイザリーボード議長に就任した。(ウィキペディア参照)
出井は、モノづくりより、コンテンツ、ソフト重視をしたため屋台骨を支えていたエレクトロニクス事業が悪化しました。
2003年減収減益でストップ安をつけた「ソニーショック」が起こり、同年2万人、2005年1万人をリストラした。
出井は、挽回しようと2004年、サムスンと合弁会社S-LCD社を立ち上げた。
結果的に、サムスン側にソニーの技術、ソニーエンジニアが流出したわけですが、モノづくりに関心が薄い出井にとっては、そのようなことも想定できなかったし、あまり重要ともおもわなかったのではないかとおもいます。
日本のメーカーが元気がなくて、韓国のサムスンなどが元気なのは、官僚が統制して国家戦略として取り組んでいるのが要因だとマスメディアで大々的に報道されています。
しかし、モノづくりを否定するソニー経営陣に見切りをつけた日本人技術者がサムスンなどの韓国メーカーへ流出しているという皮肉な現実、背景があったのです。
日本でモノづくりの行き場がなくなった技術者が、サムスンに移ったからです。
出井の庇護のもとストリンガーは、欧米流経営を加速させます。
ストリンガー自身、モノづくりに興味がありません。
ハワード・ストリンガー(Sir Howard Stringer)は、英国ウェールズ出身。1965年米国CBS入社。1974年~1976年ライター、監督、ディレクター。1976年~1981年CBSレポートエグゼクティブプロデューサー。1981年~1984年 CBSイブニングニュース エグゼクティブプロデューサー。1986年~1988年CBSニュース社長就任。1988年~1995年 CBS本社社長。
出井伸之がヘッドハンティングし1997年ソニー米国法人社長。1998年ソニー米国会長兼CEOに就任。1999年ソニー本社取締役。2003年ソニー本社副会長。2003年COO。2005年会長兼最高経営責任者就任。2009年社長兼務。因みに2010年年間報酬額約8億1650万円。(ウィキペディア参照)
コストカットするためにアセットライト(外部委託による設備投資軽減)をするために、外部委託製造をエレクトロニクス事業で加速させます。委託先の台湾の鴻海精密工業には、ソニーの技術者が大量に移っています。
ソニーからの大量技術者が移籍した鴻海精密工業は、日本流モノづくりメーカーとなり、今や売上8兆円まで成長し、iphoneなど世界的メーカーから生産を受注してます。
皮肉な話ではないでしょうか。
グローバルスタンダード化することが賛美され、「TPPで開国する」とか、「外国人経営者が少ない」とか、うそぶく経営者、マスメディア、学者は、凋落したソニーをどう評価するのだろうか。
ソニーこそ、外国人経営者ストリンガーがトップとなったグローバルスタンダードのモデルともいえますが。
TPPで開国と、政府、官僚、マスメディアも大合唱ですが、
グローバル化で、モノ作りより、時価総額を上げ、株主にへつらう欧米経営者に食い物にされるだけです。
モノづくりを否定されれば、ソニーの二の舞になることは説明する必要はありません。
そのような現状を認識せず「もっと開国しろ」「グローバルスタンダードを加速させろ」と
マスメディア、学者、官僚、経営者は懲りずに強弁し続けているのだとおもいます。
ストリンガー体制で起こったのは、創業理念の否定、日本流モノづくりの否定です。
ソニー経営者へ嫌気がさした優秀な人材が韓国のサムスン、台湾の鴻海精密工業へ流出するのは自然の理ではないでしょうか。
単にソニーの凋落だけなく、日本企業の危機的状況が見えてきます。
日本を背負っていた、日本を象徴するブランドだったソニーが、グローバルスタンダードすることで、結果的にソニーだけなく、日本流経営、日本流モノづくりを破壊していくことに、そろそろ気がつくべき時ではないでしょうか。
「さよなら!僕らのソニー」(立石泰則著・文藝春秋)に、
ソニー創業者、井深、盛田を継承した大賀へインタビューした箇所に惹きつけられた。
大賀は、「出井を後継者に指名したことは失敗した」と自らの過ちを認め、出井、ストリンガーを批判し続けました。
※※※※※page274
「プロダクト・プランニング(商品企画)」の重要性を訴える中で「ユーザーの琴線に触れるような製品でなければ、ダメなんだ。あなた、『ことせん』ではないからね。最近の記者さんは『琴線』を『きんせん』と読む人が多いから、間違えないで下さい。『きんせん』ですからね」と何度も注意されたからである。
その瞬間、私は「これか」と得心した。
※※※※※
日本流モノづくりは「琴線」であることを明確に象徴する、大賀の証言です。
「琴線」は、日本流モノづくりだけなく、日本流経営の原点でもあります。
スティーブ・ジョブズは、大賀から「琴線」に触れる日本流モノづくりを伝授されたのではないでしょうか。
琴線をジョブズは理解していたとおもいます。
だから、iphone、ipadは、日本を感じさせるのです。
グローバルスタンダードは素晴らしいとするメディア、産業界、学者が吹聴で、
「琴線」は「ことせん」としか理解しない日本人が増えているとおもます。
しかし、東日本大震災という未曽有の災害により、
今年ほど「日本人が日本を意識した年」はなかったのではないでしょうか。
2011年は原点回帰、きっかけの年になるのではないかと考えています。
そのキーワードが「琴線」です。
2012年、来年は、「琴線」が見直され「日本流」とは何か?という話題が増える年になるのではないでしょうか。
そう予感しています。
「琴線」が普通に語れるようになる社会になれば、来年は素晴らしい年になるとおもいます。
日本だけなく、世界に「琴線」という言葉が「KINSEN」とスタンダードな言葉になると、素敵な世界になるとおもいます。
KYは「空気が読めない」略語ですが「琴線が読めない」とも言い換えることができます。
琴線が読めない、まさにKYマスメディア、経営者、学者が淘汰されることが、来年は起きてくるのではないでしょうか。
「さよなら!株主のためのグローバルスタンダード」
「さよなら!KY」
と、日本流経営、日本流モノづくり回帰のはじまりの年になるとおもいます。
良いお年を!
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日本の象徴であったソニーが、魅力のない欧米企業になりさがっていく様を、苦悩をもって書き下ろしています。
同書は、立石氏の愛するソニーへの決別の書です。
ソニー凋落の要因を立石氏は下記のように指摘しています。
・出井体制で欧米化経営へシフト
・ストリンガー体制で欧米流株主重視経営の加速
・日本流モノづくりの否定とコンテンツ重視
・創業理念の否定
・欧米流成果主義の加速
・サムスンなどへの技術者の流出
メディアにも時々、出井が登場するが、非常に内容が抽象的で「大丈夫?」と思えるような発言が多かった。
「さよなら!僕らのソニー」(立石泰則著・文藝春秋)を読むと出井はソニーの経営者の器ではなかったと腑に落ちました。
出井伸之は、1995年ソニー代表取締役社長、1999年CEO、2000年代表取締役会長兼CEO、2005年会長兼CEO退任、最高顧問、アドバイザリーボード議長に就任した。(ウィキペディア参照)
出井は、モノづくりより、コンテンツ、ソフト重視をしたため屋台骨を支えていたエレクトロニクス事業が悪化しました。
2003年減収減益でストップ安をつけた「ソニーショック」が起こり、同年2万人、2005年1万人をリストラした。
出井は、挽回しようと2004年、サムスンと合弁会社S-LCD社を立ち上げた。
結果的に、サムスン側にソニーの技術、ソニーエンジニアが流出したわけですが、モノづくりに関心が薄い出井にとっては、そのようなことも想定できなかったし、あまり重要ともおもわなかったのではないかとおもいます。
日本のメーカーが元気がなくて、韓国のサムスンなどが元気なのは、官僚が統制して国家戦略として取り組んでいるのが要因だとマスメディアで大々的に報道されています。
しかし、モノづくりを否定するソニー経営陣に見切りをつけた日本人技術者がサムスンなどの韓国メーカーへ流出しているという皮肉な現実、背景があったのです。
日本でモノづくりの行き場がなくなった技術者が、サムスンに移ったからです。
出井の庇護のもとストリンガーは、欧米流経営を加速させます。
ストリンガー自身、モノづくりに興味がありません。
ハワード・ストリンガー(Sir Howard Stringer)は、英国ウェールズ出身。1965年米国CBS入社。1974年~1976年ライター、監督、ディレクター。1976年~1981年CBSレポートエグゼクティブプロデューサー。1981年~1984年 CBSイブニングニュース エグゼクティブプロデューサー。1986年~1988年CBSニュース社長就任。1988年~1995年 CBS本社社長。
出井伸之がヘッドハンティングし1997年ソニー米国法人社長。1998年ソニー米国会長兼CEOに就任。1999年ソニー本社取締役。2003年ソニー本社副会長。2003年COO。2005年会長兼最高経営責任者就任。2009年社長兼務。因みに2010年年間報酬額約8億1650万円。(ウィキペディア参照)
コストカットするためにアセットライト(外部委託による設備投資軽減)をするために、外部委託製造をエレクトロニクス事業で加速させます。委託先の台湾の鴻海精密工業には、ソニーの技術者が大量に移っています。
ソニーからの大量技術者が移籍した鴻海精密工業は、日本流モノづくりメーカーとなり、今や売上8兆円まで成長し、iphoneなど世界的メーカーから生産を受注してます。
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ソニーこそ、外国人経営者ストリンガーがトップとなったグローバルスタンダードのモデルともいえますが。
TPPで開国と、政府、官僚、マスメディアも大合唱ですが、
グローバル化で、モノ作りより、時価総額を上げ、株主にへつらう欧米経営者に食い物にされるだけです。
モノづくりを否定されれば、ソニーの二の舞になることは説明する必要はありません。
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マスメディア、学者、官僚、経営者は懲りずに強弁し続けているのだとおもいます。
ストリンガー体制で起こったのは、創業理念の否定、日本流モノづくりの否定です。
ソニー経営者へ嫌気がさした優秀な人材が韓国のサムスン、台湾の鴻海精密工業へ流出するのは自然の理ではないでしょうか。
単にソニーの凋落だけなく、日本企業の危機的状況が見えてきます。
日本を背負っていた、日本を象徴するブランドだったソニーが、グローバルスタンダードすることで、結果的にソニーだけなく、日本流経営、日本流モノづくりを破壊していくことに、そろそろ気がつくべき時ではないでしょうか。
「さよなら!僕らのソニー」(立石泰則著・文藝春秋)に、
ソニー創業者、井深、盛田を継承した大賀へインタビューした箇所に惹きつけられた。
大賀は、「出井を後継者に指名したことは失敗した」と自らの過ちを認め、出井、ストリンガーを批判し続けました。
※※※※※page274
「プロダクト・プランニング(商品企画)」の重要性を訴える中で「ユーザーの琴線に触れるような製品でなければ、ダメなんだ。あなた、『ことせん』ではないからね。最近の記者さんは『琴線』を『きんせん』と読む人が多いから、間違えないで下さい。『きんせん』ですからね」と何度も注意されたからである。
その瞬間、私は「これか」と得心した。
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日本流モノづくりは「琴線」であることを明確に象徴する、大賀の証言です。
「琴線」は、日本流モノづくりだけなく、日本流経営の原点でもあります。
スティーブ・ジョブズは、大賀から「琴線」に触れる日本流モノづくりを伝授されたのではないでしょうか。
琴線をジョブズは理解していたとおもいます。
だから、iphone、ipadは、日本を感じさせるのです。
グローバルスタンダードは素晴らしいとするメディア、産業界、学者が吹聴で、
「琴線」は「ことせん」としか理解しない日本人が増えているとおもます。
しかし、東日本大震災という未曽有の災害により、
今年ほど「日本人が日本を意識した年」はなかったのではないでしょうか。
2011年は原点回帰、きっかけの年になるのではないかと考えています。
そのキーワードが「琴線」です。
2012年、来年は、「琴線」が見直され「日本流」とは何か?という話題が増える年になるのではないでしょうか。
そう予感しています。
「琴線」が普通に語れるようになる社会になれば、来年は素晴らしい年になるとおもいます。
日本だけなく、世界に「琴線」という言葉が「KINSEN」とスタンダードな言葉になると、素敵な世界になるとおもいます。
KYは「空気が読めない」略語ですが「琴線が読めない」とも言い換えることができます。
琴線が読めない、まさにKYマスメディア、経営者、学者が淘汰されることが、来年は起きてくるのではないでしょうか。
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「さよなら!KY」
と、日本流経営、日本流モノづくり回帰のはじまりの年になるとおもいます。
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Posted by 伊敷豊 at 18:05│Comments(0)
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