2012年01月05日

鈴木敏文の直観的商品開発

鈴木敏文の直観的商品開発

商品開発をするなかで、私が大切にしているのは「直観」です。

「データは?」という人は多いかもしれません。
もちろんデータも必要ですが、直観なきデータは役に立ちません。

リサーチ会社のデータで、商品開発しようとおもっても既に遅しです。
お金を出せばだれでも買えるデータで何とかしようとしても
既製服を作るようなものです。

オリジナルティーからほど多いものになります。

日本流マーケターである鈴木敏文氏の商品開発の発想は、実に独特で、直観的です。
非言語能力が発揮された商品開発です。

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セブン‐イレブンの代名詞はいくつもありますが、1976年(昭和51年)に発売されブレークした、おにぎりの「パリッコフィルム」は革新的でした。

私も最初、フィルムの海苔の巻き方が分からず、海苔のフィルムとおにぎりを別々に分け、手にごはん粒をつけながら、あらためて海苔をフィルムから剥いで巻いて食べていました。誰かからパリッコフィルムの正しい海苔の巻き方を教えてもらった時には「へぇ~、手にごはん粒がつかない」と感嘆したことをよく覚えています。

当初、おにぎりは家庭で作るものという先入観から、開発には反対の声が強かったといいます。

同じような事例として、コンビニエンスストアには欠かせない缶入りやペットボトル入りのお茶があります。

伊藤園は1985年に世界で初めての缶入り茶「缶入り煎茶」を発売しましたが、当時はお茶は家庭で作るもの、熱いお茶を飲むものというイメージがあったそうです。

恐らく伊藤園社内でも商品化へ反対する人も多かったことでしょう。2009年「お~いお茶」発売20年間で、累計150億本販売しています。

普通の人ならば、おにぎりや缶入りお茶の開発も多勢に無勢で断念したのかもしれません。優れたマーケターである鈴木氏は、なぜおにぎりに目を付けたのでしょうか。

お弁当、遠足、おやつにと家庭でおにぎりが作られ良く食べられている事実は、誰もが知っています。

普通の人であれば見過ごしてしまうでしょう。家庭で良く作られるという事実を見逃さず、鈴木氏は、恐らく次のような仮説を立てたのかもしれません。

「おにぎりの潜在需要は大きい」

「おにぎりを商品化すれば、まぁまぁ売れるだろう」

「家庭のおにぎりにはない価値を付加すればもっと売れるのでは」

「そうだ、 パリパリとした海苔とセットにしたおにぎりは家庭では難しい」

「パリっとした海苔を付けたおにぎりを開発しよう」と。

おにぎりの需要、市場があることを発見した鈴木氏の更に凄いところは、コンビニエンスストア流にアレンジし商品化したことです。

それがパリッコフィルムですが、普通のマーケターであれば、需要は見つけても、パリパリとした海苔というキーワードに思いが及ばないのかもしれません。

パリッコフィルムにすることで、家庭のおにぎりとは違う、コンビニエンスストアの付加価値の高い商品へと転換させ、革新的商品へブラッシュアップしたことは見事です。

おにぎりの商品化なんて難しいことではない。誰でも思い付くことだと考えるかもしれません。ヒット商品を講釈する人がいますが、後付けで理屈づけすることは簡単です。

何かヒットすると後付けで考えることは簡単なように思えるのですが、いざ、新たに潜在需要を読み、「売れる商品を開発しろ」と言われても簡単にできるものではありません。

日頃から、あらゆる事象を当たり前と漠然と看過するのではなく、客観的に事象を見抜くことを習慣としてなければ、潜在需要を発見することはできないのです。

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