2011年12月13日
秋元康さんの日本流センス
秋元康さんの日本流センス
日本流経営、日本流マーケティングは、
「人」であり「心理(琴線)」が重要な要素です。
AKB48をプロデュースした秋元康氏は
『企画脳』(PHP)の中で、仕事のできる人は琴線を読み取れる人だと述べています。
「女性の気持ちがわかる人とか、
仕事面でも誰が何を求めているのかを思いやり、
適切に処理できる人である。
相手がどんなことを考え、どんなことを求め、
どんなことを嫌っているのか、そうした人情の機微を読みとることができる人だ。
そんな「センス」や「デリカシー」を持った人間が、
本当に仕事ができる人だし、女性にモテる男だと思うのである。」
女性にモテるうんぬんはさておき、
この一文は秋元氏自身そのものを表現しています。
秋元氏がヒットメーカー、カリスマプロデューサーとして
業界の最前線で長年にわたり活躍できるのも、
琴線、心のゆらぎを読める日本流のセンスがあったからということがわかります。
私はマーケティング、マーケターに興味や憧れて
マーケター、マーケティングコンサルタントになったのではありません。
今から20数年前、20代前半に
「なぜ、売れるのか?」「なぜ、人が集まるのか?」ということに強烈に惹きつけられ、
際限のない興味が湧き起こったからです。
そういう素朴な疑問を解き明かすために、
自分なりに答えを見出そうと研究し、実践し、結果を出してきました。
仕事の現場で、売れる仕組み構築、実践していたので、
欧米流マーケティング理論の用語は参考にしましたが、必要性は感じませんでした。
現場で実践するなかで、実感としてマーケティング
(なぜ売れるのか? なぜ人が集まるのか?)の根本は「心理(琴線)」だと考えていました。
私の講演・セミナーでも「マーケティングは心理(琴線)」と言い続けています。
欧米流マーケティング理論は、体系化され分かりやすいのですが、
現場でマーケティングを実践している一人として、
著名なマーケティング理論の本を読んでも心に響くものはなく、なんとなく物足りなさを感じていました。
残念ながら、既存の欧米流マーケティング理論には
謎を解き明かす著書はありませんでした。
ふと考えたのは、
欧米流マーケティングと日本流マーケティングは
根本的に違っているのではないかということでした。
マーケティングだけではなく、
マーケティングとも密接に関わりがあるマネジメントも同様です。
マーケティングの権威フィリップ・コトラーに対して、
マネジメントでも権威は、皆さんご存じのP・F・ドラッカーがいます。
『もしドラ』という本が売れ、テレビ番組になるほどで、ドラッカーの理論も素晴らしいのですが、
なんとなく表面的でしっくりとこない違和感がありました。
【日本の流儀 34pより】
Posted by 伊敷豊 at 10:00│Comments(0)
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