2011年12月15日

モノから見える心模様

モノから見える心模様

モノから見える心模様

心の科学を取り入れた、
松木さん独自の考古学研究に注目が集まっているという。

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2009年3月5日(木)日本経済新聞 夕刊13面
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ヒトを理解 歴史が見えた
道具の思想 手掛かり

「コーヒーカップで宇治の玉露茶を飲んでも、あまりおいしく感じられないように、道具にはある種の通念、社会に通用する意識が張り付いています。飲み物を容れるという機能だけで器が作られるわけではありません。ある時は集団のアイデンティティーを誇示するためであったり、個人の威信を演出するものであったり、さまざまな意図が込められています。機能以外の部分を意図的に道具などに盛り込むことを『凝り』と表現しました。そうしたものの意味を読み取れば、本当の歴史が見えて来るだろうと」
「犯罪捜査で、さまざまな情報を集めて心理分析などを加え、犯人像を推理する手法にプロファイリングがあります。認知考古学の方法は、それに似ています」

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確かに、学校で習った縄文時代などは
土器、集落跡など、ある意味モノとしてのイメージが強く
我々と同じ人というより、原始時代の人類という感じでした。

なぜ、そうなのかと言うと
感情移入する歴史が記録されていないこと、と関係があると思います。

聖徳太子の時代、
文字などの発達で歴史が書き残され
その時代の権力構造、人の琴線を推察することができます。

いろいろな歴史小説が生まれるのも
感情移入できる背景があるからです。

縄文時代は権力構造や人の心模様を推察する記録がない。

我々の琴線に触れるような史実もないので
なかなか想像できない。

が、考古学者の松木さんは
土器や石器、集落跡に直接触れることで
縄文時代の人々の心の揺らぎを感じたのかもしれません。

考古学と心の科学

松木さんのインタビューを読んで
古代人が鮮やかに蘇る様でした。

面白かったのは、「凝り」

機能以外の部分を意図的に道具などに盛り込むことを「凝り」と
松木氏は言うそうですが、
人口密度など人間関係が濃密な場所ほど「凝り」が深いと指摘しています。

人口密度が高いと何が起こるのか?

自然に考えると競争が起きます。

「アイツには負けたくない」という感情が
土器などに「凝り」を施す。

古代の「凝り」は、自己表現であり
現代風に言うとデザインとも言えます。
デザインは、機能ではないので不要とも言えます。

デザインは心の豊かさ、アイデンティティーの象徴であり
現代では分かりますが、
縄文時代に「凝り」デザインが人の密集度で生じるのは面白いですね。



私が興味を持ったのは
松木氏の独自な視点。

「犯罪捜査で、さまざまな情報を集めて心理分析などを加え、犯人像を推理する手法にプロファイリングがあります。認知考古学の方法は、それに似ています」
とインタビューに松木氏は答えています。

心理分析はマーケティングでも大切です。

モノには、作った人の思想、考え、心理が投影されます。
商品でもそうで、メーカーの会社や経営者そのもの考え方が表れます。

モノだけでなく、サービス、店舗でも同じことが言えます。

心理分析することで
眼に見えない人物像を推察する。

心理分析が高じてくると
眼に見えない人物とやり取りできるようになります。

松木氏の感性の豊かさをインタビュー記事から感じました。

人の心にフォーカスした認知考古学。

松本氏著「列島創世記」(小学館)も思わずアマゾンで購入しました。
お勧めします。

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