2011年12月16日
マーケティング発祥の地は日本
「P・ドラッカーはマーケティングの元祖は越後屋といっている。」
八巻俊雄著『広告』に短いのですが、興味深い一文が書かれていました。
マネジメント、マーケティングでは先駆者として
日本人にも馴染みの深いP・F・ドラッカーが、
江戸時代に創業した越後屋をマーケティング元祖であると認めていました。
ネット検索するとドラッカーはリップサービスで
「マーケティングの元祖は越後屋と発言した」という書込みがありました。
恐らくマーケティングは米国が先進国で日本は輸入国だという認識があるからでしょう。
色々調べていくと八巻氏が述べているとおり、
ドラッカーの著書『マネジメントⅠ』(1973年初版無修正版・有賀裕子訳・日経BP社)に
マーケティングの元祖は越後屋であるとドラッカーは認めていました。
「マーケティングは1650年ごろの日本において、
三井家の創業者によって考案された。その人物が江戸に上って開いた店は、百貨店のさきがけと呼べそうである。
彼はシアーズ・ローバックの基本方針を、すでに250年も前に先取りしていた。
顧客のための仕入れ役を担う。顧客にふさわしい商品を企画し、生産者を育成する。
顧客から求められれば、無条件で返品を受けつける。
単一の技術、製品カテゴリー、業務プロセスに注力するのではなく、幅広い品揃えを行う……。
氏もまた、当時の日本では社会が変化した影響により、かつてない潜在顧客層、
すなわち、新たな上・中産階級が生まれたことを見て取っていた。
これらの気付きをもとに、三井家の創業者およびその後継者たちは商売を広げ、
日本最大の小売業、三越百貨店グループを築いたばかりか、メーカー、商社、金融など各社からなる
日本有数の財閥(三井財閥)へと躍進させたのである。」
越後屋は三井高利が1673年(延宝元年)創業し、
有名な「現金掛値なし」世界で初めて定価店頭販売をしています。
時代考証があいまいなので、
ドラッカーは誰からか越後屋のことを聞いて書いたのでしょう。
八巻氏は同書で、三井高利の越後屋が1683年(天和3年)に世界で初めて、
広告効果測定をしたと紹介しています。
八巻氏は1984年東京で開催されたIAA(国際広告協会)の大会で
「広告効果測定の可能性と限界」というセッションで発表しており、
海外の広告関係者からも驚きと称賛があったと書かれていました。
欧米では、広告効果測定が行われるのは20世紀に入ってからですから、
高利から見れば、マーケティング後進国だった欧米から有り難くマーケティング理論を傾聴すること自体、
奇異に思うことでしょう。
【「日本の流儀」(伊敷豊著)より】
「マーケティングの元祖は越後屋と発言した」という書込みがありました。
恐らくマーケティングは米国が先進国で日本は輸入国だという認識があるからでしょう。
色々調べていくと八巻氏が述べているとおり、
ドラッカーの著書『マネジメントⅠ』(1973年初版無修正版・有賀裕子訳・日経BP社)に
マーケティングの元祖は越後屋であるとドラッカーは認めていました。
「マーケティングは1650年ごろの日本において、
三井家の創業者によって考案された。その人物が江戸に上って開いた店は、百貨店のさきがけと呼べそうである。
彼はシアーズ・ローバックの基本方針を、すでに250年も前に先取りしていた。
顧客のための仕入れ役を担う。顧客にふさわしい商品を企画し、生産者を育成する。
顧客から求められれば、無条件で返品を受けつける。
単一の技術、製品カテゴリー、業務プロセスに注力するのではなく、幅広い品揃えを行う……。
氏もまた、当時の日本では社会が変化した影響により、かつてない潜在顧客層、
すなわち、新たな上・中産階級が生まれたことを見て取っていた。
これらの気付きをもとに、三井家の創業者およびその後継者たちは商売を広げ、
日本最大の小売業、三越百貨店グループを築いたばかりか、メーカー、商社、金融など各社からなる
日本有数の財閥(三井財閥)へと躍進させたのである。」
越後屋は三井高利が1673年(延宝元年)創業し、
有名な「現金掛値なし」世界で初めて定価店頭販売をしています。
時代考証があいまいなので、
ドラッカーは誰からか越後屋のことを聞いて書いたのでしょう。
八巻氏は同書で、三井高利の越後屋が1683年(天和3年)に世界で初めて、
広告効果測定をしたと紹介しています。
八巻氏は1984年東京で開催されたIAA(国際広告協会)の大会で
「広告効果測定の可能性と限界」というセッションで発表しており、
海外の広告関係者からも驚きと称賛があったと書かれていました。
欧米では、広告効果測定が行われるのは20世紀に入ってからですから、
高利から見れば、マーケティング後進国だった欧米から有り難くマーケティング理論を傾聴すること自体、
奇異に思うことでしょう。
【「日本の流儀」(伊敷豊著)より】
Posted by 伊敷豊 at 09:30│Comments(0)
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