2011年12月20日

スーパーカブを作ったのコンセプトメーカー本田宗一郎

スーパーカブを作ったのコンセプトメーカー本田宗一郎

江戸時代に天才マーケター三井高利が登場し、開花した日本流経営、マーケティング。

明治以降、欧米流が主流になり影が薄くなったものの、
非言語(超言語)的能力のある希有な経営者により日本流マーケティングのDNAは静かに継承されています。

ホンダの創業者・本田宗一郎(1906~1991)は、モノづくりのプロフェッショナルというイメージですが、実は「琴線を読む」日本流マーケティングの継承者でした。

1958年(昭和33年)に発売された原付バイク・スーパーカブは
爆発的にヒットしました。

当時、原付バイク販売台数は4万9000台に過ぎなかったのですが、
2年後には90万5000台と急激な市場拡大をスーパーカブはもたらしたのです。

スーパーカブは、原付バイク市場の先駆けになっただけでなく、バイク市場全体の急激な拡大をもたらした伝説的なバイクなのです。

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「人間の心を理解し、喜怒哀楽を理解し、不満や希望を知らせなければ、大衆に受け入れられる商品を、創造し生産できない」という宗一郎の信念は、大きな失敗、修羅場から得たモノでした。

1954年(昭和29年)に最新技術を謳い文句に発売したジュノオは販売不振が続き、1年半で生産打ち切りになりました。販売予測の見込み違いでたちまち在庫の山となり、更に追い打ちをかけるように巨額な設備投資が倒産の危機を招いたのでした。

自分の開発したバイクが売れない事実を突き付けられたわけです。
技術屋の宗一郎にはこたえました。

修羅場になると人は自分を省みるものです。内観もしたと思います。
内観することで感性、直観などの非言語(超言語)的能力が高まり、宗一郎は、消費者の琴線が読めるようになったのではないでしょうか。

琴線を読めるようになることで、アウトプットする製品をどのようにすべきなのか明確にイメージできたと思います。

失敗が許されない新しい大衆向け原付バイクを開発するうえで、
非言語(超言語)的能力は市場動向をつかむのに大いに役立ちました。

スーパーカブ開発当時、1955年(昭和30年)の自転車年間生産台数は約100万台と市民の足として活用されていました。


宗一郎は、オカモチを片手に自転車を額に汗して必死に漕ぐ店員を見て
ハタと気がついたのかもしれません。

「自転車ではなく原付バイクであれば楽になる。片手にオカモチを持てる原付バイクを開発すれば開発する意味があるのではないか」と。

ようするに「働く原付バイク」です。

スーパーカブを開発中、宗一郎は、
「蕎麦屋の小僧が出前のオカモチを片手に下げて乗っても、運転できるものにしろ」と開発陣へ言い続けました。

普通の技術者であれば、性能、 デザインだけを追求するだけです。技術先行の開発であれば、スーパーカブは存在しなかったと思います。

宗一郎は琴線を読むことの重要性を知っていました。

消費者の琴線に触れるバイクはどういうものなのか、
宗一郎は具体的なイメージ(開発コンセプト)ができていました。

宗一郎の明確な開発コンセプトにより、開発スタッフも
「出前のオカモチを片手に下げて運転できる」ように、ペダルを踏みギヤが切り替わる自動遠心クラッチのアイデアを組入れました。

蕎麦屋などの飲食店は、繁忙な時間帯もあり毎日酷使します。
悪路、坂道でもストレスなく登れるパワーも必要です。

業務用に使うことを想定していたので、馬力を出せる点火プラグや悪路でも走りやすく乗り心地が良くなるように17インチのタイヤも新しく技術開発しました。

フロントカバーをポリエステル樹脂で射出成形し軽量化を図り、リッター90㎞という低燃費を実現しました。低燃費は事業者にとっては大きな魅力です。

宗一郎の明確な開発コンセプトがあったことで、
自動遠心クラッチ、耐久性、最高速70㎞を出せるパワー、低燃費など画期的技術革新ができ、スーパーカブが開発できたのでした。

蕎麦屋だけでなくその他全国の飲食業、配達業などあらゆる業種業態に使えるということを事業者側、消費者側が気付いたのです。

スーパーカブは市場拡大を牽引しました。

スーパーカブは、単なる大ヒットした原付バイクではなく、
日本流マーケティングが生み出したバイクとも言えます。

日本流マーケティングの史上にのこる成功事例でもあるのです。

宗一郎が天才技術者というゆえんは、
琴線を読める日本流マーケティングを熟知した技術者だったからです。

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